最近読んだマンガなど(失踪日記と監督不行届)

そういえば、読んだマンガについてはあんまり書いてなかったなあと思いつつ。


いや実際は小説以上にマンガを読んでたりするんですが、収集がつかなくなりそうで二の足を踏んでいたんですけど。
たまにはマンガについても書いてみてもいいかなあと(はてなダイアリだと書きやすそううだし)。


まず、吾妻ひでお失踪日記」について。


帯にも書いてあるように、この話は「全部実話です」。
これは、漫画家の吾妻ひでおが、マンガに行き詰まったまま2度失踪してしまった顛末をあくまで淡々と描いた作品なんですよ。
ホームレスの生活を送ったり、ガス配管工になってみたり、家族の元に戻ってはみたが、アルコール中毒がひどくなって、精神病院に入院したことなど。
あまりに悲惨すぎることを除いてあるそうですが、それでも、「漫画家というのは、そんなところまで逃げなければならないほど辛いのか」と、なかなかきついものがあります。
それでも、お涙ちょうだいというわけでなく、むしろそんな生活のなかのコミカルな部分を強調して描いてあるので、むしろ面白いです。
こんなに面白くていいのかしら、と思うくらい(つい読みふけったせいで、某資格取得のための授業に行くのが遅れてしまい、むしろ自分が失踪したくなったのは、自業自得ですな…)
私は吾妻ひでおのマンガというとほとんど読んだことがなく、むしろ「ひでおと素子の愛の交換日記」という全然吾妻ひでおにとっては本筋ではないであろう、新井素子のエッセイと吾妻ひでおのマンガの交流試合で知ったくらいですから(どうでもいいがこの本で出てきた「箸が走っとる」というセリフが未だに忘れられない)、漫画家としての吾妻ひでおの正当な評価というのは下せないのですが。


ここまで描ききったところは本当に凄いとしか言いようがないと思います。


あと表紙はぜひ外してみるといいかと思います。オススメ。


監督不行届
漫画家安野モヨコによる、庵野秀明監督とのおたくな結婚生活を描いたエッセイマンガです。
(一応、※このマンガはフィクションであり、実在の人物・団体とは関係ありません。と但し書き付きですがね)
なんですが。
監督はともかく、なんで安野モヨコロンパース(2等身)なんだろう。
いや可愛いですけど。
超オタクな監督が少しずつ普通人に歩み寄っていき(それでも本質はオタクなままですが)、隠れオタクだった安野モヨコが立派なオタ妻になっていく過程がなんともおかしいです。
いろいろ議論するわりになし崩しになるあたりがほほえましいです。


そして、巻末のオタク用語解説がやけに熱かったです。
わかるのとわからないのが半々くらいかのう。
これは誰が書いたんだろう。安野モヨコ自身だとすると凄いなあ。
あと一度は表紙を外してみてもいいと思います。可愛いので。