ディビッド・エリス「死は見る者の目に宿る」

死は見る者の目に宿る (ランダムハウス講談社文庫)

死は見る者の目に宿る (ランダムハウス講談社文庫)



長編ミステリです。

過去と現在と交錯させながら、話者もくるくると変えながらスピーディに話が進んでいきます。

主たる主人公はもと郡検事補の有名弁護士「ポール・ライリー」。
彼は自分が捜査した事件。あるものになぞらえて起こった連続殺人についての気がかりを抱えています。また恋人との関係も上手く行っていません。

そこにまるで16年前をなぞるような事件が起こり、否応なく巻き込まれていきます。

主人公は中年をちょっと過ぎたくらい。ややひねくれ者ながらも、正義漢が強く、頭も良く、なかなかの好漢です。

また、対決することになる「犯人」や警官たち、主人公の周りの人達も、なかなかクセが強くて、誰を疑っていいのか、なにを信じていいのか分からなくなります。

事件を暗示するものはいろいろとありますが、決して一筋縄ではとけません。曲がりくねった道の先に、二転三転して見えてきた真実とは…。

最後までハラハラしつつ読みました。そうきたか!と思いました。
面白かったです。