ひさびさの古本屋
古本屋は、好きですか。
私は結構好きです。
普通の本屋さんとは別な時間が流れているような、品揃えの違いがあるところが良いなあと思います。
たいてい新刊より安めに買えるし。
でもなあ。
普通の本屋さんよりも安く買える場合が多い分、ついついリミッターが外れてしまいがちなところが、とても危険なんですよね。
ただでさえ、未読の本が貯まっていく状況なんですが(汗)
昨日も、実はそうでした。
いや出張に行って、夕飯までちょっと時間があったんで、散歩がてら本屋を探しに行ったんですよ。
そしたら、ちょうど古本屋さんが目についたので、はじめは普通の本屋さんを探していたのに吸い込まれるように入ってしまいました。
そしたら。
ものすごい掘り出し物(私にとっては)を見つけてしまいました。
津原やすみの私のエイリアンシリーズ12冊。講談社X文庫。
(アマゾン検索はこちら。)
しかも1冊50円ですよ。
12冊買っても600円ですよ。
はっきり言って翻訳ミステリ1冊より安いっすよ。
津原やすみは、津原泰水が少女小説家時代に使っていた名前で、どんな話を書かれてるか気になっていたのですが、絶版のため読めなかったものです。
私が津原作品を読み出したのは、初めて名前を津原泰水に変えて「妖都」という作品を書かれた時からだからなあ…。
講談社X文庫で出版されて、いま読めるのはルピナス探偵団シリーズのハードカバーの新装版「ルピナス探偵団の当惑」くらいじゃないかなあ。
これは学園本格ミステリの佳作でした。
一方、私のエイリアンシリーズはSFラブコメディとでした。
地球に某任務のため降りてきた少年と、彼に出会った普通の少女を軸に、クラスメイト家族そしてエイリアンたちとの交流や冒険の日々をほぼ少女(ヒロイン)視点で丁寧にユーモラスに描いたものです。
それで出張で泊まっていたホテルで読み出したらはまってしまって、一晩で6冊一気読みしてしまいました。
一応勉強用のテキストも持って行ったのですが、開きもしませんでした(汗)
少女小説という枠組みは守りながらも、ミステリぽかったり、SF的要素もちゃんと入っていたりして楽しめました。
しかし…あとがきはなんだか中性的な書き方をされていて、(津原泰水さんは男性なのでそれが分からないようにとの配慮かと)苦労されてたのかなあと思うと、ちょっとしみじみしたり。
確かに、この小説は(あとがきを含めて)読んでいても著者の性別は分からないっす。凄いッス。
まあ、ヒロインたちの音楽の趣味が渋すぎだとは思ったけどね。
(モンキーズとプリンスとクイーンとU2その他…)
しかし、12冊買ってもまだ少女小説家時代の30冊の半分も行かないのか。
…ぼちぼちと集めようかなあ。
あと。
かなり好きな小説家である日野啓三の単行本が100円だったので、つい買ってしまいました。
「砂丘が動くように」。
文庫版は持ってるんだけどね。
好きな話だしね。
しかしこの値段は安すぎ。面白いのにさ。
でもおかげで安く買えるし…。という実に矛盾した気分でした。
というわけで、久しぶりの古本屋はとても楽しかったです。