館強化月間その4 水車館の殺人

とりあえず読み終わりました。水車館の殺人
第2冊目の館シリーズですね。


以前シリーズ全部読み終えたとき(暗黒館の殺人が出る前ですね)
シリーズでどれが一番好きかなあとつれづれなるままに考えてみたところ、
「うーん、迷うけど水車館かなあ…」と思った覚えがあります。


なぜかというと。


山奥の館(水車館)で幽閉同然に育った19歳の少女。華奢で無口。しかも人妻。
主人は事故の後遺症でマスクを被っており常に車椅子。館に引きこもり状態。そして某有名画伯の息子。
主人に仕える、冷静沈着な執事。
主人が誰にも見せようとしない画伯の絶筆の絵。
年に一回だけ、画伯の絵を見に館に集まる一癖ありそうな人々。
恒例どおり館に人が集まった年に一度の日、そのタイミングで起こる殺人劇。


という怪しげな要素満載なところが個人的につぼだったみたいです。


水車館が絵的に美しいというのもあるかもしれないなあ。


一年前と現在と。
交互に描くという書き方も、物語の雰囲気をいっそう強めて効果的だったのではないかと思います。


ただ。
それくらい好きだったため、物語の中盤ぐらいで「そういえば…」と犯人を思い出してしまったのがちょっと残念でした。

でもやっぱり好きな作品です。

ラストの余韻の残る感じも好きだなあと読み返して思いました。