*追加(ホラー小説日本編2)

ああ、思い出したので2編追加します。

平山夢明「メルキオールの惨劇」(ハルキ・ホラー文庫)
ハードボイルド的ホラー。日本の一地方都市に突然出現する異形的世界。登場人物それぞれが只者ではなく、話の展開も意表をつくこと間違いなし。語り手からしてまともな倫理観を持っている人ではない。運び屋だ。それも最悪の記念品を、どんな手段を使っても集めるのだ。秀作かつ他に例をみない異色作。


乙一「GOTH リストカット事件」(角川文庫)
どの作品にするか迷ったけど、最新作ということで。
ホラーミステリ連作集。暗黒に引かれる主人公とクラスメイトの森野。彼らの事件へのかかわり方は常に興味本位で自己完結的。誰も裁くものはなく、ただ知りたいがために事件を求め、人の暗部を探る。その独自の美意識やその中で次第に明らかになっていく二人の関係や過去もなかなか面白かったです。